2008年09月29日 (月)
フードリテラシー研究会によるイタリア食材リテラシー週間、
1週間にわたるワークショップのトリを飾る
「伝統酢対決!日本×イタリア」に参加してきました。
日本とイタリアの伝統酢を比較文化の視点で語り合うというもので、
イタリアはクリスティアーノ氏によるバルサミコ酢、
日本は飯尾醸造の5代目見習い、飯尾彰浩氏による米酢です。
飯尾さんのブログに「最初で最後であろう特別な酢を味わっていただくつもり」と
書かれていたので、期待は高まります。
まずはバルサミコ酢から。
伝統的な(トラデチョナーレ)バルサミコ酢は、最低でも12年の熟成が必要。
作り方は、マルヴァジーアやトレッビアーノなどのぶどう(ワインで使われる品種)を
搾った果汁を煮詰めます。
煮詰めることで、糖度が高くなり、色もカラメル色になります。
また、熟成しやすくなるのだそうです。
煮詰めたものを種酢の入った樽の中に入れます。
樽は屋根裏部屋に置くのですが、部屋の温度変化が激しいため、
微生物の活動が活発に行われるというのが理由だそうです。
大きな樽から小さな樽へと少しずつ移し替えながら熟成させていきます。
樽に移すときは4分の1のみで、残りの4分の3は元の樽に残す決まりがあります。
熟成期間中に移し替える樽の数は造り手によって違いますが、3〜10だそうです。
樽に使われる材質も、サクラ、カシ、クワ、トリネコなどで、
それから移る香りも重要とのことです。
種酢の入った樽は「ボッテマードレ」(母)という名で、
最後のボトリングされる直前の樽は「レッジーナ」(女王)という名だそうです。
このレッジーナからボトリングできる量も決まっており、
15%しかボトリングできないそうです。
シェリーのソレラ方式で樽を積み上げないものに近いかなと思って聞いていました。
樽の中でアルコール発酵と酢酸発酵がほぼ並行して行われるそうです。
アルコール発酵には酸素は不要ですが、酢酸発酵は酸素を必要とするので、
樽の上部には穴が開いていて、その部分に布がかぶせてあるそうです。

続いて、プラスチックのスプーンに入ったバルサミコ酢をテイスティングします。
酢をテイスティングするときは、陶器またはプラスチックの器を使います。
金属は味が変わってしまうのでNGです。

一番左が伝統的なバルサミコ酢で12年熟成のもの。
真ん中が同じく伝統的なもので25年熟成のもの。
そして右が普通の普及品のバルサミコ酢です。
色そして粘度が違うのが写真からも分かるかと思います。
普通のバルサミコ酢はサラサラの液体ですが、
伝統的なものは粘り気があり、ツヤもあり、チョコレートのような色です。
この3つ酸度はほぼ同じだそうですが、
口にしたときに感じる酸っぱさが全く異なりました。
伝統的なものは酸味よりも甘味を強く感じ、酸味もまろやかでした。
普及品は酸味が強く、甘味はほとんど感じませんでした。
この違いは原材料と製法の違いだそうです。
普及品のバルサミコ酢は、ワインビネガーにカラメル色素、香料等を添加し、
12時間くらいで工業的に造られるそうです。
伝統的なものとは全く別物と思ったほうがいいように思います。
ちなみに伝統的なバルサミコ酢の正式名称は
Aceto Balsamico Tradizionale di Modena
(アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ)といい、
イタリアのエミリア・ロマーニャ州のモデナ又はレッジョ・エミリアでのみ造られます。
長くなるのでその2に続きます。
読んでいただきありがとうございます。
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