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シングルモルト講座「樽と熟成の神秘」

2009.05.31

ワインスクール、レコール・デュ・ヴァンで行われた
シングルモルト講座を受講してきました。
講師は、世界のウイスキーライター5人に選ばれた土屋守先生です。
前回に引き続き2回目の受講になります。
 →シングルモルトセミナー

前回はシングルモルトの入門編だったため、
ウイスキーの話も含めて初歩の初歩のお話でしたが、
今回は「樽と熟成の神秘」というテーマで、
シングルモルトの個性を出す要因の一つ、樽についてのお話でした。

まず、樽の材質ですが、オーク材を用います。
オークも、ヨーロピアンオークとアメリカンホワイトオークの2種類があります。
どちらを使うかによって、香り、味に違いが出ます。
そして、樽にするときに、樽の内側をローストして焦がすのですが、
どのくらい焦がすかによっても香り、味が変わってきます。
(材質については、講座に遅刻したためあまりお話が聞けなかったのが残念。)

そして樽の大きさです。
シングルモルトで使われる樽の大きさは3種類。
 ・ (バーボン)バレル 180~200リットル
 ・ ホグスヘッド     250リットル
 ・ バット         500リットル
ちなみに、スコッチウイスキーの法律では700リットル以下の樽の使用が
定められています。

バレルはバーボンに使う樽です。
バーボンは新樽しか使えず、サイズも1種類のみ。
バーボンはアメリカのウイスキーですから、
材質はアメリカン・フレンチオークになります。

ホグスヘッドは「豚1頭」という意味だそうです。
300~350kgという樽の重さと豚の重さが同じくらいだったとか。

そしてバットはシェリー樽(=シェリーバット)です。
ここで使われるシェリーはオロロソが主です。
ペドロヒメネスのような味わいの強いシェリーだと、
後から入れるモルトが風味が負けてしまうため使われません。

シェリーバットがややこしいのは、材質がアメリカンホワイトオークのものと
ヨーロピアンオークのものの両方があることだそうです。
シェリーはスペインの酒精強化ワインなので、
樽はヨーロピアンオークが使われていそうですが、
ソレラ・バットはアメリカンホワイトオークを使っているそうです。

そしてスコッチウイスキーは原則新樽を使いません。
では、スコッチウイスキーに使う前の樽は何に使われていたかというと、
90%はバーボン、5~6%はシェリー(オロロソ)、
そして残りはスコッチウイスキーです。

樽の寿命は70~80年のため、数回は使うことができます。
1回目は新樽(スコッチでは使われません)
2回目の樽はファーストフィル、3回目はセカンドフィル、
4回目はサードフィルと呼ばれます。
何回も使っていると熟成力が落ちるため、
シングルモルトで使われるのは、ファーストフィルとセカンドフィルまで。
それ以降の樽はグレーンウイスキー用になります。

そして、樽に入れて熟成させる熟成環境によっても風味は変わります。
樽の置き方にもいくつか方式があります。
樽を並べた上に横木を渡して積み上げ、しかも3段までしか積まない
ダンネージという伝統的な方法がスコッチでは一般的です。
そのほかにもラックという棚に樽を置いていく方法、
パラダイスというパレットの上に樽を数個縦置きにして、
それを積み上げていく方法があるそうです。

樽の置かれた場所の温度、湿度が大きな影響を与えるため、
同じ蔵でも建物の上部と下部では温度が異なるため、熟成に違いが出ます。
ダンネージでは3段しかないにも関わらず、上と下では熟成具合が違うそうです。

そして、最近の新しい方法として樽を2回使う「ウッドフィニッシュ」という
熟成方法があるそうです。
この方法のパイオニアはグレンモーレンジで、「エクストラマチュアード」と
いう名前で出ているものになります。
これは、通常の樽熟成を10年くらい行って、オリジナルのモルトの味をつくった後、
別の樽に詰め替えて2~3年置くことで別の風味を付ける方法だそうです。
元々のモルトがしっかりしているからこそ出来る手法だとか。

ようやくテイスティングです。

20090529_1.jpg

今回は、樽の違いということで、グレンモーレンジが4種類、
マッカランが2種類です。

20090529_2.jpg

No.1
グレンモーレンジ オリジナル
アルコール度数:40%

20090529_3.jpg

No.2
グレンモーレンジ エクストラマチュアード ラサンタ
アルコール度数:46%
オロロソシェリーの樽で仕上げ熟成

20090529_4.jpg

No.3
グレンモーレンジ エクストラマチュアード キンタ・ルバン
アルコール度数:46%
ルビーポートの樽で仕上げ熟成

20090529_5.jpg

No.4
グレンモーレンジ エクストラマチュアード ネクター・ドール
アルコール度数:46%
ソーテルヌ(貴腐ワイン)の樽で仕上げ熟成

20090529_6.jpg

No.5
マッカラン ファインオーク 18年
アルコール度数:43%
シェリー/バーボン樽

20090529_7.jpg

No.6
マッカラン 18年
アルコール度数:43%
オロロソ・シェリー樽


グレンモーレンジは、仕上げの樽が違うと
こんなにも色も香り、味わいも違うのかと驚きました。
グレンモーレンジの中ではネクター・ドールが美味しかったです。
過去にはソーテルヌワインの最高峰、シャトー・ディケムの樽で熟成させた
グレンモーレンジを発売したことがあったそうです!

今回は全てピートを焚いていないシングルモルトでした。
次は大麦の違いをテーマにした講座を考えているとのこと。
次回も楽しみです。



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